共同宣言2022
私たちは、2019年10月の結成以来、「2030年までに温室効果ガス半減・2050年までに実質ゼロ」を実現するために、所属する自治体や日本政府に対して、「気候非常事態宣言」と実効的な対策や行動計画の立案と実施を求めてきました。
その後2020年10月には菅首相(当時)が2050年カーボンニュートラルを宣言し、現在、2050年ゼロカーボンシティ表明自治体は約600、気候非常事態宣言自治体も100を超えています。
また、国連の気候変動に関する政府間パネルIPCCの第6次報告書では、「気候変動が人間の活動によることは疑う余地がない」とし、一時的にでも平均気温上昇が1.5度を超えて (オーバーシュート)しまえば、多くの人間と自然のシステムが深刻なリスクに直面し不可逆的となり、適応の限界に達するとも指摘しています。さらに、現在直面している新型コロナウイルスなど新興感染症の背景には、気候変動や生物多様性の危機があることにも向き合わなければなりません。2022年2月から始まったウクライナでの戦争をめぐっては、深刻な戦禍に加えて、資源の偏在と他国への依存、戦争下の原発の危険性など、エネルギーと平和をめぐる新たな危機や課題も示しています。
一方で、政府が2021年10月に策定した第6次エネルギー基本計画は、石炭火力や原発も維持し、その目標もCO2排出量世界第5位の日本が途上国や未来世代に果たすべき責任に対して全く不十分で、大幅な見直しが求められます。
気候危機の深刻さと、これまでよりも大幅に踏み込んだ対策の必要性がより一層明らかになっています。私たちは、自治体議員が果たすべき役割・責務をあらためて明確にし、以下の取り組みをさらに進めることを確認し、これを新たな共同宣言として再出発します。
自治体や行政機関、国内外の市民やNPO/NGOと連携した取り組みを進め、「気候市民会議」など、市民の参加・熟議によって地域と地球の未来を変える仕組みを作ります。
対策や取り組みを進めるにあたっては、格差の是正など「公正な移行」を重視します。
気候危機に取り組む議員や首長を増やし、気候変動対策を重要な政策課題とします。
2022年5月27日
■参考資料 <2019年11月26日スタート時の宣言文>
ストップ気候危機!自治体議員による
気候非常事態・共同宣言
2016年、気候変動の脅威とそれに対処する緊急の必要性を認識し、「産業革命前からの地球の気温上昇を2℃未満に抑え、1.5℃未満に抑える努力をする」ことを目標とした国際条約「パリ協定」が発効しました。しかし、その後も世界のCO2(温室効果ガス)排出量と平均気温は観測史上最高を記録し、産業革命前から1.1℃上昇しています。さらに、パリ協定に基づく各国のCO2削減目標が達成されたとしても、今世紀末には世界の気温は3℃上昇すると、国連は警告しています。
すでに、気温の過熱化によって、世界各地で熱波、ハリケーン、山火事、洪水、海面上昇、干ばつ、氷床融解などの極端な気候変動が頻繁に引き起こされ、日本国内でも気象災害が深刻化しています。地球上の各地で人々の生命や暮らしが危険にさらされ、自然や生物多様性が損なわれています。
9月の国連気候行動サミットでは、77カ国が2050年までにCO2排出量を実質的にゼロにすること(カーボンニュートラル)を表明しました。しかし、日本政府はCO2削減目標(2030年に2013年比で26%、2050年に80%削減)の引き上げに消極的で、石炭火力発電所を増設・輸出し、世界一低い炭素税を引き上げようともしていません。
このような中で、世界中の若者がグローバル気候ストライキに立ち上がり、9月の行動には185カ国で760万人以上が参加しました。さらに世界の1100を超える自治体や政府機関が、気候非常事態を宣言し、問題の解決に総力をあげて取り組むことを表明しています。
私たちは自治体議員として、地球温暖化に起因する気候変動が人間社会や自然界にとって著しい脅威となっていることを認識し、ここに気候非常事態を宣言し、連携して以下の取り組みを広げます。
2019年11月26日
気候緊急事態を宣言した政府機関(地方、州、国)MAP
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