5/24 <呼びかけの追加アピール>コロナ危機・経済活動の縮小による二酸化炭素排出量の激減  真に気候危機の回避のために、新たな社会システムへの転換を実現させよう!

ストップ気候危機!自治体議員による気候非常事態・共同宣言の会は、コロナ危機の現状を受けた「呼びかけの追加アピール」を発表します。

 

<呼びかけの追加アピール>

 

コロナ危機・経済活動の縮小による二酸化炭素排出量の激減

真に気候危機の回避のために、新たな社会システムへの転換を実現させよう!

 

 私たち「ストップ気候危機!自治体議員による気候非常事態・共同宣言の会」は、昨年10月の結成以来、「2030年までに温室効果ガス半減・2050年までに実質ゼロ」を実現するために、所属する自治体や日本政府に対して、「気候非常事態宣言」と実効的な対策や行動計画の立案と実施を求めてきました。

 

 この私たちの活動が始まったのと時を同じくして、中国の武漢から始まった新型コロナウイルスの脅威に全世界が直面することになりました。そしてグローバル経済の拡大の中でこの感染症は瞬く間に世界に蔓延し、国境閉鎖や生産活動の停止を余儀なくされ、世界中でリーマンショックを越える経済危機に直面しています。

 

 日本では、新型インフルエンザ特措法による新型コロナウイルス感染に関する緊急事態宣言が全国に発令されました。検査体制の圧倒的少なさ、医療崩壊、中小事業者の倒産や非正規労働者の失業、緊急物資や生活必需品不足などは、感染症対策の不十分さだけではなく、福祉・医療を切り捨て格差拡大を放置してきたこの社会の脆弱性を露にしています。

 また、感染症にも気候変動にも十分な対策を取れず、今も感染が爆発的に拡大しつつある途上国はより深刻な状況にあります。感染拡大と自然災害が重なった場合、日本だけでなく途上国のリスクはさらに高まります。

 

 これら感染拡大によって引き起こされている課題の多くは、私たちが気候非常事態によって解決しなければならなかった諸課題と重なっています。また、今回のような近年頻発する新興感染症の近年の背景には、自然環境の破壊や気候変動があると指摘されており、2つの危機は、要因においても重なり合っています。

 

 一方、こうした事態のなか、国際エネルギー機関(IEA)は、この新型コロナ感染拡大に伴う経済の停滞により2020年の二酸化炭素排出は昨年比で8%減となる見通しを示しました。国連のグテーレス事務総長も、感染拡大の影響で二酸化炭素排出量減少の認識を示す一方で、「地球温暖化の解決にはならない」と述べており、これを機に再生可能エネルギーへの投資を強化して転換を図るべきだと訴えました。

 

 私たちは、現在、緊急事態が徐々に解除されている中、二酸化炭素排出量の減少を一時的なものとせず、リーマンショック後の「V字回復」型の経済復興による二酸化炭素排出量の増加を繰り返さない戦略を構築し示さなければなりません。

 

 また、私たちは、この緊急事態の中でテレワークや時差出勤など、労働や生活スタイルを変容させています。地域内の異なった業種の交わりや、生産者と消費者の新しいつながりもが模索されるなど、環境負荷の少ない地域循環・分散型社会への転換の端緒も示されています。これらの変化を選択できない人々・国々の存在や、変化に伴う新たな課題にも向き合いながら、この経験を通して、新たな社会・経済のあり方を見つけ出していくことこそが、私たちに課された役割だと考えます。気候危機に対処することは新興感染症の蔓延という危機を抑制することにも繋がります。国境を越えて広がるこの二つの危機は、グローバルな国際社会と連携、そして地域内・地域間でのローカルな連帯なくして解決できません。

 

 「Think Globally Act Locally」(地球規模で考え、地域で行動せよ)「Think Locally Act Globally」(ローカルで考え地球規模で行動せよ)-私たち自治体議員の力で、地域の、日本の、世界の政治を変革し、気候危機をストップさせる一翼となりましょう。

 

2020.5.24

ストップ気候危機!自治体議員による気候非常事態・共同宣言の会

 

 

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